内科(生活習慣病)
内科(生活習慣病)
当院では、生活習慣病などの慢性疾患の継続的な治療を行います。また、現在総合病院などの高次医療機関を受診されており、病状が安定したために「かかりつけ医」への転医を勧められた場合は、脳疾患に関連するものに限らずお気軽にご相談ください。
診察の結果、高度医療が必要と診断した場合は、適切な治療を受けていただける専門の医療機関をご紹介いたします。
また、当院の構造上、通常の患者様と発熱などの感染症の患者様の動線を分けることが困難ですので、発熱など感染症が疑われる患者様のご受診はお控えください。近隣の医療機関へのご受診をお願いします。
生活習慣病とは、食事、運動、喫煙、飲酒、休養などの生活習慣がその発症や進行に関与する病気のことです。その主な病気が2型糖尿病、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症です。これらの疾患は生活習慣を見直すことにより、予防・改善することが可能です。しかし、長年放置すると、心筋梗塞や脳梗塞といった疾患の発症リスクが高くなります。健診で異常を指摘された方など、是非お早めにご相談ください。
糖尿病とは、インスリンの作用が十分でないためブドウ糖が有効に使われずに血糖値が普段より高くなっている病気です。
血糖値が上がると、膵臓に存在する膵β細胞が感知してインスリンを血中に放出します。インスリンは血液内のブドウ糖を筋肉や脂肪に取り込ませるため、食後に血糖値が上がり過ぎないように作用します。
2型糖尿病の原因としては、遺伝因子とともに生活習慣・外部要因などが関与して発症すると考えられています。
血糖が増加しても無症状の場合が多いですが、のどが渇く、たくさん水を飲む、たくさん尿が出るなどの症状がみられる場合もあります。また、インスリンの効きの低下と血糖値の増加は、血管を傷つけ、様々な合併症を引き起こします。特に三大合併症といわれる、網膜症、神経障害、腎症は注意が必要です。
目の網膜には毛細血管が網目状に張り巡らされています。血糖値が高い状態が続くとその毛細血管が傷害され、網膜症を起こします。初期は自覚症状がほとんどなく、糖尿病を放置していたり、治療が不十分だったりすると、5年で10%、10年で30%、15年で50%、20年で70%の方に網膜症が発症し、進行すると失明に至ることもあります。早期発見、早期治療のためには、眼科での定期検査を継続する必要があります。
糖尿病神経障害は3大合併症のなかで一番早く発症し、5年程度で運動神経、知覚神経、自律神経を障害し様々な症状を引き起こします。ものが二重に見える、手足のしびれや痛み、手足の先の感覚が鈍くなる、発汗異常(汗を異常にかく、汗が出ない)、立ちくらみなどの症状がみられます。
糖尿病が悪化すると動脈硬化が進行して足先の血行が悪くなり、さらに免疫力の低下が加わって感染による炎症をまねき、足先が壊疽(組織が腐って死ぬこと)を起こすことがあります。しかし同時に神経障害が起きているために苦痛を感じにくく、壊疽を進行させてしまうことで下肢切断に至ることもあります。
腎臓は、血液を濾過して老廃物を尿として排泄する重要な臓器であり、その濾過装置である糸球体には細い血管が密集しています。高血糖が10年〜15年続くと、その血管が傷害され、腎機能が低下します。進行すると腎不全を起こし、血液透析が必要になります。糖尿病腎症は、日本における透析導入の原因、第1位の疾患です。
120/80mmHgを超えて血圧が高くなるほど、脳卒中、心疾患、慢性腎臓病などの危険性が高くなり、中でも収縮期血圧(心臓が収縮して血液を送り出したときの血圧。最高血圧)がその危険性を強く予測するといわれています。
診察室血圧が140/90mmHg以上の場合、高血圧症と診断されますが、中には白衣高血圧といわれる診察室血圧は高血圧ですが、診察室外では非高血圧を示す方もいます。その場合は家庭血圧や自由行動下血圧で評価する必要があります。
症状がなくても、高血圧と診断された場合は、速やかに生活習慣の改善を行い、適切な薬物療法を行う必要があります。
脂質異常症とは、血液中の脂肪分が異常値を示す病気です。
血液中の脂肪分はいくつかのタイプに分けられ、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、トリグリセライド(中性脂肪)、Non-HDLコレステロール(総コレステロール−HDLコレステロール)が正常範囲を外れていると脂質異常症と診断されます。ただし、脂質異常症と診断されても、すぐに治療が必要というわけではありません。
LDLコレステロール高値の原因として、第一に飽和脂肪酸の取りすぎがあげられます。飽和脂肪酸は、肉の脂身、バター、ラード、生クリームなどに多く含まれます。また食事中のコレステロールもLDLコレステロールを高くしますが、個人差が大きく、飽和脂肪酸と比べると、影響が小さいといわれています。コレステロールは鶏卵の黄身や魚卵から摂取されます。LDLコレステロールが高値で、飽和脂肪酸やコレステロールを摂り過ぎている方は、その量を控えることで改善することができます。
中性脂肪の高値の要因としては、エネルギー量の取りすぎ、特に甘いものや酒、油ものの取りすぎがあげられます。これらの摂取を控え、運動やダイエットを行うことで、中性脂肪を下げることができます。中性脂肪を検査する場合、空腹時の基準を満たすためには10時間以上の絶食(カロリーのない水分の摂取は可)が必要です。
脂質異常症を放置すると、動脈硬化が進み、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患や脳梗塞などの病気を起こしやすくなります。そのため、生活習慣の改善だけでは治療が難しい場合、薬物療法を考慮します。
高尿酸血症とは、尿酸の血中濃度が異常高値になった状態のことをいい、痛風発作の原因となります。痛風は「風が当たっただけで痛い」と表現されるほどの激痛が発作的に起こる関節炎です。
足の親指の付け根付近に生じることが多いですが、足関節、膝関節、手関節、肘関節などにも起こります。患者様の多くは30〜50代の男性で、女性が痛風になることはめったにありません。
痛風発作の激しい痛みは数日間続き、治療の有無にかかわらず、やがて治まってくることが普通です。このため患者様の中には、発作の原因である「高尿酸血症」を治療せずにいる人が少なくありません。高尿酸血症そのものは、全く自覚症状がない病気だからです。
高尿酸血症を放置すると、痛風発作を起こすだけでなく、尿路結石症を引き起こし、動脈硬化を進める危険性も指摘されています。
尿酸値が9mg/dl以上もしくは8mg/dl以上で腎障害・高血圧・糖尿病・肥満などの合併症を伴う方は薬物療法を含む早期の治療がすすめられます。
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